滝田洋二郎監督の作品って初めて観ました。
山崎務さんは本当に素敵な俳優さんですね
ケイタイ電話のCMでもとても良い味をだしてますが、この映画でも、どこか「何でもお見通しな風情」、カッコイイです。
人の死を扱う職業を通して、夫婦や親子の愛情を描いた感動作です。
思い出したんだけど、学生のとき就職活動中事務職で、何の職種だかよくわからないけれど異様に高額で条件の良い会社を見つけて、その求人広告の遠い言い回しだとか社名だとかで何の会社か解って、でもすごく高額な給料と良い条件に惹かれて悩んだ記憶があります。家族や親戚が、何故だかなんとなく反対する職業
っていくつもある気がしますが、体裁が悪いとか恥ずかしいとか、でもそれって何が基準なんだろうと考えさせられます。
映画の主題はそういったことも含め、主人公のこの職業をとおして、生きているうちにはなかなか感じることができないことがある、人は必ず死ぬ、後悔しないように生きよう、そんなメッセージが含まれているかんじ。
主人公小林大悟(本木雅弘さん)は、オーケストラの楽団員でチェロ奏者でしたが、楽団は解散、職を失うと同時に自分のチェロ奏者としての才能の限界に気が付きます。高額なチェロの借金
を背負い無職、そしてたどりついた職が納棺師です。
雇い主である社長・佐々木生栄(山崎務さん)の魅力、この職業の奥深さに惹かれ、妻美香(広末涼子さん)に反対されても職を変えようとはせず、一人前の納棺師になっていく主人公。
納棺師という職業に反対する妻は実家に帰ってしまい、故郷での親友(杉本哲太さん)にも冷たい目で見られ、それでも職を変えようとはしないのは、雇い主との信頼関係、納棺師という職業にしか理解できないであろうある達成感、自分の職に誇りを持つって素敵です
親友の母親(吉行和子さん)の死を通して周りの人間たちは主人公の心情を理解していきます。このくだり、銭湯を営んでいた親友の母親、この銭湯の常連客であった平田正吉(笹野高史さん)の台詞に凄みがある
そうして妻が妊娠し父親となることが決まったと同時期に、幼い頃自分を捨てた実の父親の死の通報が訪れる。大悟はその訃報を無視しようとしますが、子供を捨てた過去をもつ同僚上村百合子(余貴美子さん)から会ってあげてほしいと祈願される。おなかに赤ちゃんがいる妻と一緒に、死体になった父と対面し、主人公は「人間の生と死の不思議」に直面します。
なんだかいまいちパッとしない毎日をおくる人などには、何かが開ける映画ではないのかな。大切にするべきものを大切にしていない、それは普段意識する必要のないもののように思える、でも失ってから気付くくらいなら毎日をきちんと生きて、今からすぐにでも大切にしよう
そんなふうに感じさせてくれる映画でした。
人間は必ず死ぬ運命ですが、弱肉強食食物連鎖で、いろいろな生き物たちの運命を勝手に絶っている。でも困ったことにそれらは美味しいのだ(*Θ▼Θ*)
佐々木生栄と主人公大悟が美味しそうに美味しいものを食べるシーンはなんとも・・・空腹で映画館に行くとツライかも
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