« マリコマッコリマッコリマリコ | トップページ | 料理がわりと好き »

観ました、「闇の子供たち」

全編を通して目を背けたくなるシーンが多い。でもこれは実際に起きていること。今も遠い国のあちこちで。

この映画を観て深く感じ入ったことって、野生動物は綺麗だなってこと。へんに高尚な知恵や変化を求める欲がないから、弱肉強食、強いものは弱いものを食べて、弱いものは強いものから身を守る。シンプルで格好いい。全てが本能で動く世界。ライオンに首を食いちぎられるシマウマ、群れについていけなくて死んでいくペンギン、そういったこと全部が自然。

人間は高度な知能を持っている。だからいろんな工夫をして快適な生き方を追求する。テレビは薄く大きく、電話は小さく持ちやすく、食品保存は冷凍で、煙草やお酒やいろんな嗜好品でストレスを解消、男女の夜には赤い照明と香りの良いキャンドルを・・・とかそんなかんじ。

高度な知能で生活を豊かなものにしていき、心地良く生きていくことのできるように工夫していく人間、ある意味素晴らしいのだけれど、それが裏目に出るととんでもなく悲惨な状況を作り出す。弱いものを強いものが襲う、それが野生動物みたいな無垢な状態で行われず、実に気味の悪い世界が出来あがったりする。

恵まれない環境に産まれた子供たちを、恵まれた環境の人間たちが性欲の解消・無理な要求のある性的快楽に利用したり、財力のある病気の人間の為の臓器提供に利用したりしてお金を儲ける大人。そんな大人がうじゃうじゃいる。しかも大きな黒い勢力がらみで。かなりリスキーな行為であることを承知でそれを追う記者やボランティアの人間たち。しかし劣悪な被害にあい続ける子供たちを救うことは困難である悔しさと無力感。

777

江口洋介さん、宮崎あおいさん、妻夫木聡さん、豊原功補さん、その他の俳優さんたちの熱演・・・この作品に出演するにあたるあれこれあらゆる事は精神的にかなり負担だったのではないかな? と感じますが、本当に感動しました。

88

とくに宮崎あおいさん演じる女性の真摯に子供を救おうとする体当たりな行動には胸を打たれた。世間知らずの若さ故っていうのがまた良かった。大人達はいろいろと巧妙すぎる。もちろんスムーズに物事を運ばせるのは大人のやり方のほうなのですが。

作品自体あらゆるリスクを背負っての制作だったろうと思う、これは単なる娯楽作品ではなくメッセージ性の強い作品、だから出演者の皆さまや阪本順治監督を本当に尊敬します。

どんなに個人で訴えても団結して活動しても、その努力空しく無くならない貧困故の残酷なループ。どうすればこういったことって無くなるのだろう、どこに答えがあるのだろう、答えなんてどこにも見つからないのかな、辛くて途中で観るのをやめたくなってしまうけれど、少しでも多くの人に観てもらってこういった現実を知ってほしい!と思えるとても価値のある映画だと感じた。

|

« マリコマッコリマッコリマリコ | トップページ | 料理がわりと好き »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

そうでした。
この映画の宮崎あおいは、力演でしたね。
最近は、余裕で演じている彼女ですが、
これは、フルスロットルだった気がします。

投稿: えい | 2011年11月17日 (木) 21時43分

えいさん、おはようございます。

TB返しとコメント、どうもありがとうございました。

記者、NGO職員、臓器移植を希望する家族のシーンは、
本当に壮絶でしたね。
私には子供がいるので、
どうしても日本人夫婦の気持ちが解ってしまう部分、
見ていて辛かったです。

命を提供するタイの子供と南部が目があうシーンは、
「映画」を超えた何か・・・うまく表現できないけれど。

日本人の自分自身に跳ね返ってくる映画にしたい、
って監督は言っていたのですね。
本当に、日本人(勿論他国の人も)の多くの人に観てほしい
映画ですね。

投稿: ヤマト | 2011年11月18日 (金) 08時51分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/13569/43013223

この記事へのトラックバック一覧です: 観ました、「闇の子供たち」:

» 闇の子供たち [to Heart]
値札のついた命 製作年度 2008年 上映時間 138分 原作 梁石日 『闇の子供たち』(幻冬舎文庫刊) 監督 阪本順治 音楽 岩代太郎 出演 江口洋介/宮崎あおい/妻夫木聡/豊原功補/鈴木砂羽/塩見三省/佐藤浩市 日本新聞社のバンコク支局駐在の南部(江口洋介)は、東京本社か...... [続きを読む]

受信: 2011年11月15日 (火) 02時03分

» 闇の子供たち を観てきました。 [よしなしごと]
 久々に重い映画を・・・。闇の子供たちを観てきました。 [続きを読む]

受信: 2011年11月15日 (火) 02時19分

» 「闇の子供たち」格差社会における深い闇の世界を映した真実であり現実 [オールマイティにコメンテート]
8月2日より全国拡大ロードショー中の 映画「闇の子供たち」(PG-12指定)を鑑賞した。 この映画は東南アジアのタイを舞台にした 生きたままの子供を臓器売買で売られていく現実 ... [続きを読む]

受信: 2011年11月15日 (火) 06時21分

» 『闇の子供たち』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「闇の子供たち」□監督・脚本 阪本順治 □原作 梁石日 □キャスト 江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡、プライマー・ラッチャタ、プラパドン・スワンバン 、佐藤浩市、鈴木砂羽、豊原功補、塩見三省、三浦誠己■鑑賞日 8月10日(日)■劇場 1...... [続きを読む]

受信: 2011年11月15日 (火) 08時40分

» 子供のこと [Akira's VOICE]
「ぐるりのこと。」 「闇の子供たち」  [続きを読む]

受信: 2011年11月15日 (火) 10時17分

» 【闇の子供たち】闇を照らすために出来ること [映画@見取り八段]
闇の子供たち 監督: 阪本順治 原作: 梁石日 出演:  江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡、佐藤浩市、鈴木砂羽 公開: 2008年8月           生活のために子供を売るタイの貧民層。 売ら...... [続きを読む]

受信: 2011年11月15日 (火) 11時59分

» 【闇の子供たち】闇を照らすために出来ること [映画@見取り八段]
闇の子供たち 監督: 阪本順治 原作: 梁石日 出演:  江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡、佐藤浩市、鈴木砂羽 公開: 2008年8月           生活のために子供を売るタイの貧民層。 売ら...... [続きを読む]

受信: 2011年11月15日 (火) 12時01分

» 闇の子供たち [迷宮映画館]
やはり人間という生き物は、不完全な生き物だ。 [続きを読む]

受信: 2011年11月15日 (火) 12時38分

» 闇の子供たち・・・・・評価額1650円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
熱帯のスラムの淀み湿った空気が、スクリーンを通して客席にも漂ってきそうだ。 幼児の臓器売買、買春というおぞましい現実を描いた梁石日の小説を、坂本順治監督が映画化した「闇の子供たち」は、私たちに人...... [続きを読む]

受信: 2011年11月15日 (火) 13時45分

» 闇の子供たち [シネマ日記]
公開のときから話題になっていたので興味はあったのですが、見に行くことができず、今回ケーブルテレビで見ました。タイの人身売買、児童買春についてのお話。取材をする現地記者の南部浩行江口洋介、現地NGOでボランティアをする音羽恵子宮崎あおい。どこから書き始めれ...... [続きを読む]

受信: 2011年11月15日 (火) 13時53分

» 『闇の子供たち』 [こねたみっくす]
衝撃作。それ以外にこの映画を評する言葉が見当たらないくらいの衝撃作でした。微笑みの国と言われているタイの笑顔は大半が悲しい作り笑いだったのかと思ってしまうくらいに恐ろ ... [続きを読む]

受信: 2011年11月15日 (火) 21時24分

» 闇の子供たち [単館系]
渋谷、シネマライズにて PG12ということですが、地上波は無理かも・・・ 値札のついた命 タイ駐在の新聞記者、南部浩行が、若いフリーカメラマン、与田博明の協力を得て、闇ルートで取引されている臓器の...... [続きを読む]

受信: 2011年11月15日 (火) 21時54分

» 「闇の子供たち」 [みんなシネマいいのに!]
 中学生の初めてのデーとはやっぱりハリウッド大作娯楽映画や、フジテレビが作って東 [続きを読む]

受信: 2011年11月16日 (水) 06時55分

» No.182 闇の子供たち [気ままな映画生活]
ここ最近観た邦画の中でも、問題作いや 衝撃作といったところだろうか・・・ [続きを読む]

受信: 2011年11月16日 (水) 22時52分

« マリコマッコリマッコリマリコ | トップページ | 料理がわりと好き »